ストレスチェックの結果は、個人ではなく職場ごとに集計(集団分析)して、職場環境の改善の手がかりにします。集団分析と職場環境の改善は、事業場の規模を問わず努力義務です。
使うのは個人の結果ではなく、職場ごとの集計です
個人の結果は、本人の同意なしに事業者へ渡りません(労働安全衛生法 第66条の10 第2項)。そのため、院長や事務長が職場づくりに使えるのは、職場や部署などの集団ごとに集計・分析した結果です。ストレスチェック指針(11(4)ア)は、この集計結果は個人の結果を把握できるものではないので、集計の単位が10人以上なら個人の同意は要らないとしています。
集団分析は、労働安全衛生規則 第52条の14 第1項で「努めなければならない」とされています。その結果を踏まえた職場環境の改善も、同条 第2項で努力義務です。2028年4月以降に義務になるのは実施で、集団分析は努力義務のままです。
小さな職場で気をつけること
- 集団分析の下限の「10人」は、在籍者数ではなく、実際の受検者数で数えます(小規模事業場マニュアル p.26 の脚注)。
- 10人未満の集団について、小規模事業場マニュアルは、プライバシー保護の観点から原則として集団分析を実施しないよう書いています(p.32)。厚生労働省のQ&Aは、個人が特定されるおそれのない方法なら10人を下回っても可能としますが、2名のような極端な少人数は不適切としています(Q15-1、Q15-4)。
- 集計結果を、事業場の中で無制限に共有してはなりません(ストレスチェック指針 11(4)イ)。
- 50人未満の事業場でも、実施の方法などについて、関係労働者の意見を聴く機会を設けます(労働安全衛生規則 第23条の2)。朝礼や定例の打合せなどで行えます。
離職が減るかどうかは、はっきりしていません
集団分析をして職場環境を改善すると職員の離職が減る、と示す資料は、今回確かめた厚生労働省の資料の中にはありません。この点について、はっきりした根拠はまだありません。
研究で示されている話として書けるのは、ここまでです。結果は、職場の負担やサポートの状況を知り、職員の意見を聴きながら話し合う材料にするものです。離職を防ぐ手立てとして保証するものではありません。