事務長が解雇・昇進・異動に直接の権限を持つ監督的地位にあれば、実施の事務はできません。そうした権限がなければ、実施事務従事者として担当できます。
決め手は肩書きではなく、権限の有無
労働安全衛生規則 第52条の10 第2項は、「解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者」は、検査の実施の事務に従事してはならないと定めています。制限は実施者だけでなく、実施の事務に従事する人にも及びます。
事務長という肩書きで決まるのではなく、この権限を持つかどうかで考えます。事務長の役割はクリニックによって違うため、実際に解雇・昇進・異動を決める立場にあるかどうかを確かめてください。
権限がなければ「実施事務従事者」になれる
解雇・昇進・異動に直接の権限を持たない一般の担当者は、実施事務従事者になれます(ストレスチェック指針 第11(1))。実施事務従事者の仕事は、調査票の回収・集計、データ入力、結果の出力、記録の保存、受検者との連絡調整などです。資格は要りません。
ただし、実施者には医師・保健師などが別に必要です(労働安全衛生規則 第52条の10 第1項)。実施事務従事者は、個人の結果を扱うため、守秘義務の対象になります(労働安全衛生法 第105条)。外部に委託する場合は、委託契約で委託先の実施事務従事者を明示してもらいます(ストレスチェック指針 第5(2)②)。
権限がある場合に就ける役割
権限がある場合でも、「実務担当者」には指名できます。実務担当者は個人のストレスチェック結果などを取り扱わないため、解雇等に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者を指名することもできる、とされています(ストレスチェック指針 第6)。実務担当者の仕事は、実施計画の策定、外部機関との連絡調整、社内への周知などです。
事務長に権限がある場合は、実務担当者として窓口を務めてもらい、実施の事務は権限のない職員か外部の委託先に任せる形になります。